話だけの釣り

17 天塩川支流問寒別川

 汚い話で申し訳ないが、釣りをしていてこれ程恥ずかしい事はなかった。
早いうちに現地に着こうと勇んで行く。確か問寒別駅前に1軒食堂が有ったと思ったのでそこで夜飯を食べよう。店で食事をしている所にドヤドヤと地元の人たちが来て見慣れない奴がいるな〜という感じで話しかけてきた。兄さんどこから来た。旭川からだってよ、何しに、やまべ釣りだとよ、へ〜ぇ、まるで物好きだね〜と言わんばかり。そのうち酔いがまわってくるにしたがって、兄さんも呑めや、呑め、呑め、ですっかり酔っ払ってしまった。よくこの問寒別に着てくれた。終いには家に泊まれとまで、ありがたい言葉だったがあまりにも酔い過ぎてしまった。車に入って寝ているうちに気持ちが悪くなってきた。
買ったばかりの帽子の中にオェ〜と戻してしまった。もう完全酩酊状態。  

 それでも朝早く起きて、16線沢で釣りをした。そこそこは釣れたとは思う。
                                     旭川に帰ってから免許証がない事に気がつく。警察に行って届出をした時に応対した警察官が釣れたか?どこに入った?こっちの気も知らないで。
翌日、問寒別からTELがかかってきた。免許証を拾ったとの事。それだけではなく、ジャンパーと帽子、帽子は汚かったので捨てたとの事。数日後、菓子折りを持って免許証を取りに行った時のバツの悪さ。
クマに食われたかと思ったと言われた。こっぱずかし〜ぃ

問寒別駅 平成18年7月撮影

18 徳志別川 上流

 同じ会社の連中とやまべ釣りに行くかという事になった。I氏とM氏、どちらもやまべ釣りは初めてとの事。8月中旬過ぎ、新子釣りに行った。林道脇に車を置いて、15分程度歩いた。二人が仕掛けを作っている間に3,4匹釣って見せるとえ〜と言って驚いていた。途中で何度か腹切き、晴天のまたとない空の下で握り飯をほおばりながら清流のせせらぎを聞き、小鳥のさえずりを聞き、これ以上ないシチュエーションの中、釣りに興じた。朝、4:30〜12:00迄釣った。帰りが大変だとM氏が言った。林道に上がってみると車が見える。え〜どうして。何時間も下ったのに。3人で200匹程釣ったという事を忘れている。川幅はあるし、蛇行しているし、わずか300メール程しか移動していなかった。想定内の事だったのだが。・・・

19 徳志別川 大曲

 入川してすぐの所にすごいポイントがある。低い滝の落ち込みが広いプールになっている所に背びれを出して悠々と泳いでいる魚がみえた。まるで潜水艦が潜望鏡を出しているようだ。とっさに身を隠し、たまたま持っていた柳虫をつけて投餌。一発できた。強烈に暴れまわるしジャンプはする、虹鱒と思った。やっとの思いでランディング。びっくり仰天、なんとパールマークがはっきりと見える。初めての尺やまべ。旭川魚拓の会の佐藤壱月氏の所へ持ち込んでカラー魚拓にとってもらった。その年、体調を崩され亡くなった事を聞かされた。形見となってしまった魚拓だ。(表紙)

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